この記事では、メタバースの歩みや2023年現在メタバース空間で何ができるのか、歴史と事例をぎゅっとまとめてご紹介します。
「メタバース」って、実際にはどういう製品があって何ができる知りたい、という方はぜひご覧ください。
メタバースという言葉の誕生
最初にメタバースという言葉が登場したのは、アメリカの作家ニール・スティーブンソンが1992年に発行したSF小説『スノウ・クラッシュ』です。
「メタバース」はメタ(meta)とバース(verse)の合成語で日本語に直訳すると、超越した世界、高次元の世界のような意味になります。
VRゴーグルを開発したオキュラスのパルマー・ラッキーは、この小説の世界観を参考に開発しているとコメントをするなど、多くの技術者が大きな影響を与えた伝説的な小説です。
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メタバースプラットフォームの牽引者
2003年アメリカのリンデンラボが「セカンドライフ」をリリースし、2005年には世界中の企業が参入し社会現象を起こしました。
日本企業ではトヨタ自動車や日産自動車が参入し、バーチャル空間での販売がセッティングされましたが、この時代の通信技術ではハイスペックなPC環境で利用しなければフリーズするなど支障があり、浸透するに至りませんでした。
昨今では、2020年、コロナ禍で「あつまれどうぶつの森」や、オンラインゲーム「フォートナイト」が大ヒットとなりました。2021年には、フェイスブック社が社名を「メタ」に変更しSNSプラットフォーム企業からメタバースプラットフォームに転向することを発表し、話題になりました。
メタバースを構成する3技術
メタバースを体験するには、3つの技術が必要です。
通信:端末からプラットフォームへアクセス
端末:メタバース世界を映すPC、スマホ、VRゴーグルなど
ソフトウェアやハードウェア技術が高まっても通信インフラが向上しなければ情報量が多いメタバースの実現ができないため、通信技術の発展が期待されるところです。
メタバースへの取り組み
メタバースプラットフォームを提供する企業以外にも、各業界がビジネスチャンスととらえてメタバース参入を積極展開することで発展が期待されます。業界ごとにメタバースに対する取り組みを見てみましょう。
業界 | 特徴・事例 | 事例・計画 |
ゲーム業界 | ゲームの世界観をそのままメタバースに移植しやすい。ユーザーが付きやすい | ドラクエ、ファイナルファンタジー |
音楽業界 | 自分が空間に入れてアーティストに近づいたり、ほかの人と一緒に踊ることができる。 ステージがいきなり宇宙になる、アーティストが巨大化するなど演出効果 |
フォートナイト |
エンタメ業界 | ディズニーメタバース、サンリオバーチャルフェスなど、人気キャラクターといつでも会える | ディズニー、サンリオ、バンダイナムコ |
アパレル業界 | NFTを活用したバーチャルスニーカー販売 バーチャルファッション(サステナビリティの一環) |
NIKE、H&M |
小売業 | ARで家具を部屋に置いたサイズ感を見る | 三越伊勢丹 |
不動産業界 | デジタルモデルルーム、物件の昼夜風景比較など 都市と連動したバーチャル空間(バーチャル渋谷) |
KDDI、東急 |
建設業 | 街づくりや建物建設のシミュレーション | 国土交通省、自治体 |
旅行・観光業 | メタバースでお試し、良さそうなところに実際観光する。消失した遺産をバーチャル復元 | あしびんかんぱにー、Psychic VR Lab |
広告・メディア業界 | 東京ゲームショウ2021オンライン バーチャルマーケット上の街に広告ジャック |
電通、ambr |
教育業界 | N高等学校 課外授業をVR教材で実施 | 角川ドワンゴ |
製造業 | デザインレビュー、ショールーム | 日産自動車 |
医療業界 | 医学部生向け練習シミュレーター(注射や加ルーテル挿入) メンタル不安障害治療(VRで苦手な画面を疑似体験し克服) |
まとめ
メタバースは、ゲーム以外の印象が強い方も多いと思いますが、各業界が工夫を凝らしています。物理的な制限のないメタバース空間を使って、爆発的にヒットするサービスが生まれ、当たり前にメタバース空間で経済活動が行われるようになる未来もそう遠くないかもしれませんね。
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