この記事では、メタバースの意味と魅力について、4冊の書籍からぎゅっと要点をまとめています。
「メタバース」という言葉は聞くがいったい何なのかよくわからない、短時間でざっくり知りたい!という方はぜひご覧ください。
メタバースとは
メタバースとは3DCG技術で作られた空間で、人々が他者との交流や経済活動を行える世界を意味します。
3DCG技術とは、コンピュータを使って3次元空間(仮想空間)を作り
立体物を2Dの情報に変換することで立体的に見せる手法のことです。
メタバース空間に入るには、VRゴーグルは必須ではありません。
え?VRゴーグルは必須なんじゃないの?
そう主張する人も多く、専門家でも意見が分かれるところです。
実は、「メタバース」の定義づけは明確になっておらず、言葉を使う人によって微妙に意味合いが違います。
有識者たちは、メタバースであることの条件を論じながら、この概念の再定義を試みており、マシュー・ボール氏が「ザ・メタバース」の著書で7つのポイントをあげています。
ちょっと小難しいかもしれませんが、メタバースってなに?と思う方は、一つずつ読むと「なるほどねー」となるはずです!
永続的に存在する
メタバースは多くの人間がアバターと呼ばれるメタバース空間のキャラクターを介して参加交流しており、ゲームのように誰かがシャットダウンすることで世界が停止してしまうと世界が成り立ちません。現実世界と並行して、動き続けます。
リアルタイム性がある
リアルタイムに他者と同一体験を共有できることはメタバースの重要な条件です。
メタバース初期にブームの火付け役となった「セカンドライフ」は、完全同期型サービスであったものの、当時の通信技術やハードウェア環境が期待する性能に追い付かず、十分な体験を提供することができませんでした。
同時参加人数に制限がない
現実世界では、会場の広さに応じて参加人数の上限がありますが、メタバースならその制限をなくすことができます。
現在の通信速度やデータ容量の技術では、無制限に参加できることは難しく運営側の技術で成り立っています。
例えば「クラスター」では、101人目からはアバターを描画しないで透明人間になって参加することにより、数十万人の同時接続を可能にしています。
経済性がある
メタバースが発展するためには、デジタル空間生活でも人々が仕事をし、報酬を得ることが重要です。そしてその経済活動に伴うアイテムやお金は、データの改ざんや不正利用がされない高度なセキュリティ技術が必須です。今話題のブロックチェーン、NFT、暗号資産などの技術が重要な役割を果たすことになります。
相互運用性
現在提供されているメタバース空間は、それを提供する企業に閉ざされた空間であり他社のメタバース空間との汎用性がありません。
アバターを設定すると、そのプラットフォーム内のメタバース空間を楽しむことはできますが、ほかの企業が提供するメタバース空間に同じ姿で移動することができないのです。
(汎用的なアバターを作ることができるソフトウェアも出てきていますが、すべての企業が対応しているわけではありません。)
メタバースプラットフォームが共通規格となり、アバターが自由にメタバース空間を行き来できるようになるには、技術的なハードルも多く実現は簡単ではありませんが、垣根がなくなればメタバースの生活が現実味をおびてくるかもしれません。
幅広い企業・個人による貢献
単一企業がコンテンツを提供する状態ではなく、誰でも参加ができて、コンテンツがあふれていることがメタバースの条件です。現実世界が誰のものではないことと同じで、メタバースの世界も公共性が重要視されます。
身体性体験に垣根がない
ここは専門家によって意見が分かれているようです。
マシュー・ボール氏はメタバースはデジタル世界と現実世界をシームレスにつなぐが、デジタルですべてを完結するのではない、としています。これに対し、クラスター社の社長加藤直人氏等は、デジタル世界を身体で実感できることをメタバースの条件としてあげています。ディスプレイの向こうのデジタル世界を見ているだけではなく、自分自身がデジタル世界に入り込み、住んでいるという感覚が重要という考えです。
VRゴーグルとかで没入感を得ることこそ、メタバースだと思っていました!
定義はわかれるところなので、まずは今体験できるメタバースに気軽にトライしてみましょう。
メタバースがわかる!厳選4冊
もっと詳しくメタバースを知りたい!という方に、4冊の本をご紹介します。
メタバース さよならアトムの時代
メタバースプラットフォーム「クラスター」社の代表取締役加藤直人氏の著書です。3年のひきこもり時代にVRゴーグルをはじめてかぶって体験した経験がきっかけでクラスター社を設立、世界初のVRライブ提供に成功した方で、内容も具体的で読みやすくなっていますメタバースとは何か、市場や今後の発展性など幅広い内容で、最初に読む1冊としておすすめです。
世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
アメリカ経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人に選出されたこともある実業家、佐藤航陽氏の著書です。You Tubeでも「世界を作ろうとしている」という壮大な話をされていたので、どういうこと?と興味がわいて手にとりました。衛星データから地球全体のデジタルツインを自動生成するAIを開発している技術者なので、技術的にメタバースを作るというのがどういうことか、解説されています。ある程度メタバースとは何かをわかってから読むほうが楽しめるかもしれません。
メタバース超入門
主要なメタバースプラットフォームの特徴や業界とごとの取り組みを1ページごとに簡潔に解説しています。図や重要な部分が赤字になっているので、最初に読む本としてもとっつきやすいですし、後からわからないことを調べる参考書的な存在として持っておきたい1冊です。
ザ・メタバース
元アマゾンスタジオ戦略部門グローバル統括責任者のマシュー・ボール氏の著書です。メタバースをテーマに書いたブログが不気味なほどの先見の明を持った、影響力のある評論として大きな評判となりました。フェイスブック(メタ)のマーク・ザッカーバーグ、なども影響を受けているメタバースのそうです。分厚い本ですが、和訳もわかりやすく、わくわくと読み進められます。メタバースを知りたい人にとって必読の名著です!
まとめ
メタバースの概念と魅力をあげてきました。
メタバースの条件、特に身体性を伴う体験については賛否両論あり、定義づけが明確になっていません。通信技術の問題など、現時点で完全なメタバースはまだ実現するにはハードルが高いことが実情ですが、アバターとよばれるデジタルキャラクターを自分の分身として参加し、他者と交流や経済活動ができるので、興味がある方はまずは試してみましょう!
コメント