メタバースといえば、やはり現実逃避した別世界に没入できるVRゴーグルを使いたい、という方は多いでしょう。この記事では、2023年10月にメタ社から発売されたVRゴーグル メタクエスト3をご紹介します。
Quest2からQuest3への進化
Quest3は、2023年10月にメタ社から発売されました。Facebook社が社名を「Meta」に変更し、メタバースに力を入れることを発表したことは有名ですが、マークザッカーバーグはすでに2014年にVRゴーグル開発のオキュラス社を20億ドルで買収しており、メタバース時代の到来を視野にかけに出ていたようです。
2020年発売のQuest2はQuest3と並行販売されていますので、機能を比較してみました。比較要素はほかにもありますが、あまり多いと訳がわからなくなるので、主要なところだけ抜粋しました。
Meta Quest 3 | Meta Quest 2 | |
重量 | 515g | 503g |
ディスプレイ | 液晶(LCD) 片目2064×2208ピクセル リフレッシュレート90Hz、120Hz(テスト時) 視野角:110°(水平)96°(垂直) |
液晶(LCD) 片目1720×1890ピクセル リフレッシュレート 最大120Hz 視野角:最大96° |
レンズ | パンケーキレンズ | フレネルレンズ |
パススルー | RGBカメラ(18PPD)×2基によるフルカラー | 白黒 |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 |
バッテリーの持ち時間 | 最大使用可能時間:平均2.2時間 | 2時間~3時間 |
価格 | 128GBモデル:税込7万4800円 512GBモデル:税込9万6800円 |
128GBモデル:税込4万7800円 256GBモデル:税込5万3900円 |
数字から明らかな改善機能は、片目2064×2208ピクセルと記載のある解像度や視野角の向上、パススルーが白黒からカラーになったことですね。
解像度が高いということは映像がクリアで、よりリアルな没入感を得られるということなので、これは大きいメリットです。
重量については、やや重くなっていますが、頭に装着した際のバランスが改善されているようで、軽く感じるというレビューが多いため、ここはQuest2からのデメリットではないと思われます。バッテリーの持ち時間はほぼ変わらないようです。
Quest3の特徴
数字で見える比較以外で、Quest3のすごいところをご紹介します。
MR(Mixed Reality)
Quest3で何が進化したか、最大の特徴は、MR技術に本格対応したことです。MRとは、Mixed Realityの略で、現実空間とVR空間を重ねる技術のことで日本語では複合現実と訳されます。
例えば自分の部屋でQuest3を装着し、MR対応ゲームをスタートすると、天井や壁がだんだん壊れていって、宇宙空間になっていくなど、まるで現実に起きているような錯覚を得られて、技術の進化に圧倒されます。
パススルー機能
パススルーとは、周囲の映像をヘッドセットのディスプレイに表示する機能です。ゴーグルを透かして周囲の様子を見ているような感覚なので、ゴーグルをいちいち外さなくても、お茶を飲んだり、家族やペットの顔を見ることができるのです。
肉眼で見るよりは解像度が粗いと感じますが、Quest2などからは機能が向上していると評判です。
ハンドトラッキング機能
ハンドトラッキングとは、手に持つコントローラーではなく自分の両手でVR画面を操作できる機能で、Quest3はこの性能が向上しています。
無料で遊べる「First Hand」では、ロボットたちの世界を探索したり機械を修理したりするゲームですが、ゲーム内のモノを掴んで投げたり、ロボットと握手したり、アクションのすべてを自分の手で操作することができます。
思い通りにものを操作することができて、SF映画で描かれる近未来が現実にやってきたようなわくわく感がすごいです。
余談:メタ社が高額買収したオキュラス社とは
Quest3のご紹介をしてきましたが、メタ社が買収したオキュラス社についても知っておくと面白いです。
メタ社に買収された2014年当時、オキュラス社は設立から1年半のスタートアップ企業でした。創業者パルマー・ラッキー氏は、ゲーム業界では伝説的な天才プログラマーで会社売却時はまだ21歳だったというので驚きです。
彼は研究熱心で50種類以上のヘッドマウントディスプレイを買い集め2010年には自作のヘッドパウントディスプレイを発表し、それまで視野角が40~50度しかなかったのを一気に90度まで広げることに成功しました。
この試作機を見てゲーム界の天才プログラマージョン・カーマックが2013年オキュラスに入社しました。パルマーが球面レンズを使うハードウェア的なアプローチをすれば、カーマックはレンズの歪みをソフトウェアで解決するという相乗効果で優れたVRゴーグルの誕生となりました。
主軸がフェイスブックやインスタグラムというSNSであるなか、メタバースファーストの企業としてVR技術を傘下に収めるため高額な買収を実行したのです。
まとめ
オキュラス社の天才創業者たちが作ったVRゴーグルを、メタ社がさらに改善を重ねて約10年、MRという複合現実を身近に体験できることにわくわくしますね。
やや高い買い物なので、デジポンチもQuest2と3で悩みましたが、メタバースデビューするのにリアルな没入感は必須と思いQuest3にしました。結果、買ってよかったです!
ガラケーがスマホに変わったときや、Windowsのパソコンをタッチスクリーンで操作できるようになったときなど、「おー、技術が進化している」と感じた方も多いと思います。
Quest3はその「おー、」を通り越して、「何これ!」「うそでしょ」という言葉が出るほど、新しい体験を得られますので、ぜひ手に取ってみてください。
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